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「借金棒引き」の経済学―現代の徳政令 (集英社新書)

近年、バブル崩壊により債権放棄(いわゆる借金棒引き)が相次いでいるが、その背景、起源、学問的な意味を分析した本。評者はかねてよりこの日本独特の経済現象については深い関心を抱いていたが、本書が出てこれまでの数々の疑問が晴れた。著者は元毎日新聞エコノミスト誌の記者。アカデミズム寄りに過ぎることも、単なる社会現象の表面をなぞるだけでもなく、庶民感覚と経済学の仲立ちをしてくれる。本来、借りた金は返さなければならないのが道理である。しかし、日本では歴史上何度もその約束が反故にされ、徳政令などの非合理な形で覆されてきた。そこにあるのは「強いものが居直り、一方庶民は結局泣き寝入りを強いられる」という、社会の歪んだ側面である。歴史を振り返れば、鎌倉時代から支配階級はその特権的地位を背景に庶民、町人から金銭を借りたて、けっきょく返せなくなれば借金棒引きを要求するという誤った経済原理が横行してきた。この闇の潮流は、戦後の大蔵省支配の金融秩序や現在のゼネコン、商社などによる債権放棄要求に通じる、と著者は主張する。日本人が会社レベルでは豊かでも個人レベルでは極めて貧しいということも同根である。しかし、同時に著者は「お上任せ」の弱々しい日本人とは別の、たくましい日本人像も歴史上存在することも指摘する。それは戦国時代に自らの運命を切り開き、リスクに果敢に立ち向かっていった強い日本人であり、現在の自己責任の時代にふさわしい存在である。金融ビッグバンやペイオフ解禁により、もはや日本人が頼りとしてきた安定したシステムは過去のものとなった。好むと好まざるとにかかわらず、今後日本人はリスクの大きい、貧富の差が拡大する不安定な時代に生きなければならない。しかし、歴史を振り返ってみれば日本人は本来必ずしも自立心の弱い人間ではなかった。混乱の時代こそ自らを鍛え直すチャンスとすることができるのである。(早野 潔)

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