『買ったり読んだりする価値のまったくない本』
今までいろいろな本を読んできましたが、
これほどでたらめな本に出会ったことはありませんでした。
とにかく著者が法制度というものを全く理解していないために、
1ページに1回以上の頻度でトンデモ記述が出てくるという
すさまじい内容になっています。
この点については名古屋大学准教授の大屋雄裕氏が
自身のブログにおいて徹底的に論破していますので、
ぜひご覧ください。
「おおやにき 現代と中世の借金」で検索すればすぐ見つかります。
さて、ここまでなら著者である井原氏個人の責任で済ませられるのですが、
問題なのは井原氏がこの本をもとにして
NHK教育テレビ『知る楽 歴史は眠らない ニッポン借金事情』
に出演したことです。
NHKのスタッフは恐らくこの本を読んで井原氏に出演依頼したものと思われます。
多少の法知識があればこの本がいかにでたらめかはすぐわかるはずなのに、
それにもかかわらず番組に出演依頼したということは、
いまのNHKのスタッフがいかに劣化したかという証左にほかなりません。
NHKは国民の受信料によって運営されているのですから、
もう少しまともなスタッフを雇ってほしいと冀わずにはいられません。